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図鑑

いちばん小さい日本犬。
世界中に愛好家がいる人気者

日本犬チーム
日本犬チーム

日本古来からの土着の犬。各地方によって少しずつ異なる和犬が日本全国にいた。基本はイノシシやクマなどを狩るための獣猟犬。精悍で、警戒心強く、忍耐強い、飼い主一筋の忠犬。欧米にも愛好家が多い。

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英名
Shiba
原産国名
FCIグルーピング
5G 原始的な犬・スピッツ
5G 原始的な犬・スピッツ

このグループはスピッツ & プリミティブ・タイプと呼ばれる犬で、日本犬を含む、スピッツ系の犬が該当します。

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FCI-No.
257
サイズ
シルエット
シルエットについて

身長160cmの人と、FCI犬種スタンダードに掲載されている体高(最高値)のオス犬を表示しました。体高の記載のない犬種は、体重等からみたバランスのよいサイズにしています。ただ同じ犬種でも、体重、性、毛量などにより個体差があります。

原産国
特徴
  • 小型犬
    小型犬

    体重5〜10kgくらいの犬。キャリーバッグなどに入れると思ったより重たいが、公共交通機関での移動は可能。マンション住まいで、廊下やエレベーターといった共有部分での抱っこもできる。

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  • 中型犬
    中型犬

    体重10〜25kgくらいの犬。10kgを超えると、抱っこでの移動はけっこう厳しい。キャリーバッグやバリケンの重量が加わると、さらに重くなる。約15kgを超えると、人力での移動はほぼ困難。自家用車がある方がよい。 

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  • 短毛種
    短毛種

    日本犬のような、2〜3cmほどの短毛。保温性に優れたアンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)があることが一般的で、それなりに寒さに強い。春と秋の換毛期には、とくにたくさん毛が抜ける。

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  • ビギナーにもオススメ
    ビギナーにもオススメ

    「誰にでも簡単に飼えます」という犬などいないが、さまざまな犬種のうち、比較的初心者にも飼いやすい、性格的にマイルドで素直で優しい犬。反抗心や攻撃心も低いので、事故も起きにくい。「飼いやすい」とはいえそれは犬種としての先天的な性質の話であって、飼育環境などから来る後天的なものなどについては考慮していないのでご注意いただきたい。

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  • マンションでは要検討
    マンションでは要検討

    サイズではなく性質などの理由で、集合住宅でオススメしにくい犬。「テリトリー意識や警戒心が強く、廊下を歩く人にも反応して吠える」「声が野太い」「鳴いて要求することが多い」など。

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  • 子供との同居△
    子供との同居△

    騒々しい子供のいる家庭だと、落ち着きのない犬になったり、子供が抱くのを失敗し、落下させて犬に骨折などのケガをさせたりする可能性あり。親に、子供の監督能力と、犬の安全管理能力があれば同居も可能。

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  • 自分でシャンプーOK
    自分でシャンプーOK

    自宅でシャンプー&ドライができる犬や、長毛種でも基本カットしなくてもいい犬など。ただし耳や足などの飾り毛や足の裏の毛のカット、肛門嚢しぼり、爪切り、耳掃除などはプロに一度習うとよい。

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  • ブラッシング週2〜3回
    ブラッシング週2〜3回

    死毛を取って蒸れを防止したり、地肌の血行促進のため、週に数回はブラッシングをする。ブラッシングすると室内掃除機の回数も減るし、人間が体に触るのに慣れる練習にもなる。

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  • 抜け毛が多い
    抜け毛が多い

    無毛種でないかぎり、どの犬でも多かれ少なかれ毛は抜けるが、とくに掃除を頑張る必要がある犬種。ダブルコート(毛が二層ある被毛)の犬は、春・秋の換毛期の掃除はエンドレス。潔癖症にはオススメできない。

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  • 頑固・独立心強い
    頑固・独立心強い

    人間の指示で動いていた犬ではないため、そう簡単に人間の都合に合わせてくれないタイプ。決して馬鹿なわけではなく、自分の判断や本能を優先しているだけ。その犬種に合わせたトレーニング技術や忍耐力が飼い主に必要。

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  • デリケートな性格
    デリケートな性格

    犬種的に繊細な心を持ち、過敏なこともある。環境適応能力、順応性が低いため、旅行先で緊張して下痢したり、知らない人や犬に囲まれると心労が激しい。早期から社会化トレーニングに取りかかることが望まれる。

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  • 敏感(番犬OK)
    敏感(番犬OK)

    敏感なので、外の物音などにすぐ反応して、吠えて知らせてくれる。番犬やアラームドッグに最適。しかしマンションや住宅密集地など、吠え声が問題になる住環境の場合は要検討。

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  • 小さいけど超活発
    小さいけど超活発

    小型でも爆発的な元気さがあり、運動量がたくさん必要な犬。近所を歩く程度の散歩では満足できず、無駄吠えやイタズラなどの問題行動を起こしがち。大型犬は飼えないが、長時間散歩やジョギングのお伴が欲しい人向き。

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  • すばしこい
    すばしこい

    機敏で、小回りがよく利く。活発な小型犬だと体高も低いため、捕まえるのが意外と困難。高齢者など速い動きに対応できない人は、なかなか捕まえることができず、リードをつなげるのもひと苦労。俊敏な飼い主向き。

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柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴
柴

歴史

柴
日本古来の土着犬であり、日本を代表する犬種。JKCや日本犬保存会公認の日本犬は6種(柴、甲斐、紀州、四国、北海道、秋田)いるが、柴はその中で最も小型。そして日本犬の中で最も飼育頭数が多く、また人気がずっと継続している犬種である。純血の柴や柴雑種に会うと、「ころちゃん」「ちび」「たろう」などとつい呼んでしまいたくなる、日本人なら誰もが親近感を覚える身近な存在。日本人と犬との暮らしの原風景といえるかもしれない。

「シバ」とは、犬種スタンダードによると元来「小さいもの」「小さな犬」を意味するとある。日本語としての「柴」は、「山野に生える小さな雑木」の総称。折って燃料の薪などに使うもので、特定の木の種類を指すわけではない。昔話で「おじいさんは山に柴刈りに」と語られるのは、燃料としての柴を山に取りに行くことだ。
この犬が柴と呼ばれるようになったのは、低木の茂みで狩りをしていた犬だからなのか、または毛色が枯れた木や枯れ葉のようだからなのか、あるいは「小さなどこにでもある木々」のように、小さくて身近な存在という意味からきたのか、分からない。

英語では柴はそのままShibaと呼ばれることが多いが、「Brush wood dog」(Brush woodは藪、雑木林、柴の意)と言われることもあったようで、それはそのまま柴犬の訳だろう。また文献によっては「Little turf dog」(小さな芝の犬)との表記もあるが、turfは「芝」を指すので、これは誤訳かもしれない。柴犬の「柴」は、芝生の「芝」ではない。

柴は、日本犬の中で最古の犬種と言われる。紀元前500年の縄文時代の遺跡からこの犬の先祖と見られる犬の骨が発掘されている。3世紀になると、大陸から渡ってきたスピッツ系の犬と交配が進み、直立耳、巻き尾の現在の姿になっていったらしい。

柴
犬種スタンダードによると、柴は日本海に面した山岳地帯出身で、小動物や鳥の猟犬として使われた。ときには、イノシシやシカなどの大型獣に立ち向かうこともあった。小さいながらも勇敢な犬だったと想像できる。
昔は地域ごとにわずかな違いがあった。野生動物でいうところの、同じ種だけど生息地によって色や大きさが少し違うような「地域個体群」といえる。柴の場合、長野の「信州柴」、岐阜の「美濃柴」、山陰地方の「山陰柴」が有名。JKCや日本犬保存会未公認の「川上犬」は、信州柴に含まれることが多い。

古来より猟犬として重宝されていた柴だったが、1868年(明治元年)〜1912年(大正元年)にかけて、セッターやポインターなどの西洋の猟犬が多く輸入されたことに伴い、柴と洋犬の交雑が進んだ。また今までは食料を得るためだった狩猟が、スポーツ・ハンティングに変わっていった時期でもある。柴より大型のセッターやポインターが猟のお伴に取って代わっていったようだ。また、追い鳴きするようにダックスフントビーグル系のハウンドと交雑させた場合もあった。そのため、1912年(大正元年)〜1926年(昭和元年)、つまり大正時代の頃には、純粋な柴はすっかりいなくなってしまったという。

このままでは柴が絶滅してしまうと考えた有志(ハンターや知識人など)が、1928年頃から純粋な柴の保護に関心を示し始めた。1934年、社団法人日本犬保存会のスタンダードが制定され、繁殖に乗り出す。1937年には柴は日本の天然記念物に指定され、今では日本でいちばん愛されている代表的な犬となった。日本犬保存会のWebサイトによると、「柴は、現在日本で飼育されている日本犬種の80%を占めている」という。

この、小さいながらも古武士のような凛とした風格のある犬は、90年代以降、外国からも注目を集めるようになった。とくにフランスやアメリカで人気が高いようだ。その理由として「飼い主だけに忠実だから」との意見を聞く。またフランス人は割と親日家で、寺社や禅、日本食、漫画、ゲームなど日本の文化に関心が高いことも関係しているのかもしれない。柴は、洋犬にはないオリエンタルな魅力があふれ、かつ小型で飼いやすいということも人気と関係しているだろう。

外見

柴
小型日本犬。日本犬の純血種の中で最も小さいサイズで、素朴感がありながらしっかりした骨格で強健。小型でも均整がとれており、日本犬の風格はしっかりある。

体高はオス39.5cm、メス36.5cm。上下1.5cmまで許容される。JKCのスタンダードに体重の明記はないが、日本犬保存会のスタンダードによると、体重はオス9〜11kgくらい、メスは7〜9kg。メスはオスよりも一回り小さい。キャリーバッグやバリケンに入れて公共交通機関で移動するのは少々厳しい重さだが、マンションの廊下やエレベーターなどの共有部分を短時間抱っこして移動するのは、なんとかなるサイズである。

ちなみに、昨今では「豆柴」あるいは「小柴」「ミニ柴」といった呼び名の犬が、ペットショップなどで売られていたりするが、豆柴という犬種は存在しない。JKCや日本犬保存会では「体高不足のスタンダード外」ということになり血統書も発行されず、純血種としては扱われない。柴の正しい姿と、内面も含んだ健全性を未来に伝えていくという趣旨から外れるからだ。
ティーカップ・プードルもそうだが、極端な矮小化を行うことにより、虚弱だったり、内臓や骨などの奇形が生じるなど健康面のリスクもある。また、豆柴という種は固定されていないので、仮に親犬が小さい犬であったとしても、子供は普通の柴と同じサイズになってしまうことはよくあることで、トラブルの原因となっている。

日本人は「珍しい」「小さい」といって希少な犬を欲しがる傾向にあり、つい高いお金をだして取り引きされがちだが、結果的に、病気が多くて獣医療費が高額になったり、早死にしたり、普通の柴サイズに大きく成長したりと、犬にとっても飼い主にとっても本意ではないことが起きやすい。まず「豆柴」という犬種はない、ということをしっかり知っておこう。また日本国内の1つの団体からは血統書が発行されているが、それは国内および国際的に通用する血統書ではないと知っておくべきである。
「血統書」の存在を気にしない人も多いと思うが、その有無に関わらず、極端にスタンダードから外れた犬をよしとすべきではない。飼い主本人が抱えるリスクもさることながら、犬にとってもそれは不幸なことで、かつ犬の正しい姿から明らかに逸脱しているからだ。

さて外貌の話しに戻そう。被毛は、上毛は堅くまっすぐで、下毛は柔らかく密生している。短毛種であるがダブルコートなので、抜け毛は多い。ブラッシングは2、3日に一度くらい。ただし、春と秋の換毛期にはよく抜けるので、ブラッシングをしっかり行う。短毛種だが下毛が厚いので、放っておくとフェルト状にかたまってしまうこともあるので注意。

ただし換毛期以外の毛の手入れは比較的簡単。室内飼育する場合は、寒さに備える必要がないため1年中抜けるので、部屋のこまめな掃除機がけが必要となる。
また昨今の柴は、アレルギー性皮膚炎が発症している例が多い。アレルギーの原因には、食物がアレルゲンの場合や、ハウスダストなどの環境要因などいろいろだが、日々のブラッシング習慣で皮膚の異常を早期発見するようにしたい。

JKCスタンダードだと、赤、黒褐色、赤胡麻、黒胡麻、胡麻(赤胡麻と黒胡麻の中間くらいの色味)。「胡麻」とは地色に黒の差し毛が散らばっているものだ。柴は、頭や背中の色はそうした赤、黒褐色、赤胡麻、黒胡麻といった色で、かつ、すべてが「裏白」(マズルの両頬、アゴ、首、胸、腹、尾や四肢の内側が白っぽいこと)でなければならない、とある。つまり、裏白であることが、柴の大事なポイント。柴と柴雑種(小型の日本犬雑種)との最も簡単な見分け方はこれかもしれない。ちなみに川上犬のスタンダードには、裏白の要件はない。

また日本犬保存会の被毛スタンダードも分かりやすいので紹介しよう。こちらでは、シンプルに赤毛、黒毛、胡麻毛の3タイプ。赤毛とは、いわゆるよく見かける薄い茶色の毛。柴はこの赤毛がもっともポピュラーで8割を占める。黒毛は、目の上部に白っぽい「四つ目」といわれる斑点がある。麻呂眉のようなもので、黒毛はいわゆるドーベルマンのようなブラックタンの色を想像するとわかりやすい。胡麻毛は、黒毛・赤毛・白毛が全体的にほどよく混ざり合ったもので渋みのある色。
JKCでは表記されていないが、日本犬保存会によると「白毛の柴犬も少数存在している」とのこと。

毛色


なりやすい病気

遺伝性
  • 進行性網膜萎縮
  • 遺伝性てんかん症
  • 膝蓋骨脱臼(パテラ)
先天性
  • 遺残瞳孔膜
その他
  • 白内障
  • アレルギー性皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 緑内障
  • 甲状腺機能低下症
  • 子宮蓄膿症

魅力的なところ

  • 小型ながらも日本犬の特徴が凝縮されている。
  • 素朴な日本古来の土着犬で、親しみがある。
  • 日本犬の中でいちばん扱いやすいサイズと性格で飼いやすい。
  • 飼い主には忠実で従順。
  • 自主・独立性があり、留守番も苦手ではない。
  • 警戒心が強く、番犬向き(とくにオス)。
  • キレイ好き。トイレトレーニングは得意。
  • 日本の気候風土にマッチしており、比較的丈夫で長生きな個体が多い。
  • 帰巣性が強い。

大変なところ

  • 洋犬に比べて、社会化期が早く終わる傾向にあるので、社会化トレーニングを早くから始める必要がある。
  • 繊細で真面目な性格なので、トレーニングには家族全員の一貫性が必須。
  • いつもと違うことをさせようとすると混乱し、反抗しやすい。
  • 他人に迎合しない性格。気にいらないことをされると獣医師や子供を咬むことも。
  • 優秀な番犬になる分、吠え声が問題になる可能性あり。マンションや住宅密集地では要検討。
  • 室内トイレを嫌がる。室内で排泄させたい家庭には難しいかも。
  • 抜け毛が多い。
  • アレルギー性皮膚炎が多く見られる。
  • ご長寿が多いため、晩年に認知症になり介護が必要になる犬もいる。

まとめ

ずっと人気が続く、日本人が大好きな犬

柴
1990年代など、飼育頭数ランキングのトップ10にラブラドール・レトリーバーゴールデン・レトリーバーという大型犬がランクしていた頃は、柴は11位や12位など、トップ10から外れた時期もあったが、大型犬の人気にかげりが見えてくるとまた徐々に人気は上昇、2009〜2012年はずっと6位をキープしている。1〜5位がプードルチワワ、ダックス、ポメラニアン、ヨーキー(ヨークシャー・テリア)で、抱っこサイズの小型の洋犬の次に、少し大きめの柴が一番先にランクインしているのを見ると、やっぱり日本人は柴が好きなんだなと感じる。
しかもこのランキングは、JKCのみの「犬籍登録頭数」の順位。つまり、その年に生まれて血統書を発行した数だ。柴の場合は、日本犬保存会も血統書を発行しており、日本犬ファンシャーはそちらの団体を愛好している方も多いので、JKCと日本犬保存会の発行した血統書の数を合計すれば、柴はもっとたくさん飼育されていることになる。実質ベスト3くらいの数がいるのかもしれない。それくらい柴は、流行に左右されることなく日本でコンスタントに愛されている犬だ。

これだけ継続して人気があるのは、日本人にとって身近な愛着のある存在だからということもあるが、そうした慣習だけでなく、実際に一緒に暮らしてみても飼いやすいと感じ、先代亡きあともまた柴を選ぶ人が多いからではないかと思う。
ほどよいサイズで、小学生高学年以降の子供やお年寄りのお散歩のお伴にも最適。ベタベタ甘えん坊ではないが飼い主や家族に従順で、警戒心が強いとはいえ攻撃性が手に負えないというほどでもなく、(普通に正しく飼えば)忍耐強いので要求が多いとか分離不安になることも聞かず、グルーミング代にお金がかからず、日本の風土にあった比較的丈夫な体で長生きが多い、など飼いやすい条件が揃っている。やはり長く愛されているということは、ちゃんと理由があるのだ。

もちろん飼い方に問題があれば、いくら柴であっても問題児になる可能性はあるので、軽々しく誰にでも飼いやすいなどとは明言はできないが、少なくとも数ある犬種の中で、飼いやすい部類に入る犬といっていいだろう。賢く聞きわけのいい、飼い主想いのいい犬だ。

社会化トレーニングは早期スタートを

柴
最近では、柴でもたまにフレンドリーな犬もいるのだが、基本的に日本犬は、洋犬に比べて社会性が身につきにくい傾向にある。だから「犬を飼ったら、ドッグランでみんなと仲良く遊ばせるのが夢」と言うなら、柴は適任ではない。いくら社会化トレーニングを早期から頑張っても、そもそものフレンドリーさが洋犬とは違うので、柴はどう頑張っても博愛主義者のラブラドールにはなれない。

でも、散歩のたびに道行く犬や人などにいちいち吠えてしまうのはうるさいのでちょっと避けたい。そこで早期の社会化トレーニングだ。警戒心が身につく前に社会勉強をたくさんさせて、かつ飼い主との信頼関係が正しくできていれば、歩道でオス犬同士がすれちがっても黙って通過するくらいにはなれる。ほかの犬と仲良く遊べなくても、吠えついたりしないで平常心ですれ違えるようになれば、生活する上でなんの問題もない。

ただし、この犬種はほかの犬よりも社会化期が終わる時期が早いのではないかと言われている。つまり、ほかの犬種よりも早くに警戒心が芽生えやすいようだ。よって遅くとも生後2か月半までにパピー教室などに参加して、早期から社会化トレーニングに取りかかろう。ワクチンの関係でまだパピー教室に参加ができないなどと言っていると、すぐに大事な社会化期が終わってしまう。
不特定多数の犬の集まる公園や道路は、どんな感染症の危険があるのか分からないので避けないといけないが、ベランダから外の景色を見せたり、抱っこしたまま近くを散歩して自動車や踏切の音を聞かせたり、ご近所の人に挨拶して撫でてもらったり、ワクチン済みで衛生的な環境できちんと飼育されている健康な穏やかな犬と部屋の中で遊ばせたり、そういう環境を用意すれば病気がうつる心配はまずない。恐怖体験をさせぬように注意を払いながら、どんどんハッピーな社会体験を積ませよう。そうした経験を繰り返し積んでいれば、成犬になったときに、獣医師や子供に警戒心や嫌悪感を持つことの少ない柴に成長する可能性が大きくなる。

反対に、社会化トレーニングが乏しいまま成長してしまった柴は、元来繊細で他人に心を許さぬ性格でもあるので、獣医師や家族以外の人が手を出したら恐怖のあまり咬んだり吠えたりする子になりやすい。そうなると病気になったときに診察がしづらかったり、ワクチン接種だけでひと苦労、ということにもなる。人に預けることもできなくなる。犬の人生(犬生)は長いので、どんな事件がこの先あるかは分からない。だからなるべくいろいろな体験を子犬期からたくさんさせて、心のキャパシティが少しでも大きくなるような育て方をすることが、犬にとっても飼い主にとっても大事なことだ。

すでに成犬の柴を飼っていて、いろいろお困りの場合でも諦めないで。すでに子犬よりは警戒心があるので時間はかかるけれど、社会化トレーニングを頑張ることによりだんだん改善される。やり方が分からないときは、家庭犬のトレーナーに相談してみよう。

このページ情報は,2014/11/08時点のものです。

本犬種図鑑の疾病リストは、AKC Canine Health Foundation、Canine Cancer.com、Embrace Insurance “Pet Medical Conditions”などを筆頭に、複数の海外情報を参考にして作られています。情報元が海外であるため、日本の個体にだけ強く出ている疾患などは本リストに入っていない可能性があります。ご了承ください。

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