ドッグフードと犬種図鑑 - dogplus.me
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図鑑

ゴールデン・レトリーバー

おっとりしたのんびり屋さん。
初心者や子供のいる家庭もOKの、家庭犬の優等生

鳥猟犬(ガンドッグ)チーム
鳥猟犬(ガンドッグ)チーム

カモやキジといった、鳥をターゲットにした猟の片腕となる犬を「ガンドッグ」という。人間がガン(鉄砲)で撃つ猟をサポートする役割なので、攻撃性は低く、人間との共同作業が大好き。

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大型愛玩犬チーム
大型愛玩犬チーム

長い歴史の中で昔の仕事をすっかり忘れ、愛されるために改良された大型犬。体は大きいが、心が穏やかで安定しており、本当は飼いやすい。子供にも寛容。欧米では家庭犬として人気ランキングの上位に登場する。

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英名
Golden Retriever
原産国名
Golden Retriever
FCIグルーピング
8G レトリーバーほか
8G レトリーバーほか

7G(7グループ)以外の鳥猟犬が該当するこのグループには、レトリーバーやフラッシング・ドッグ、ウォーター・ドッグがいます。

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FCI-No.
111
サイズ
シルエット
シルエットについて

身長160cmの人と、FCI犬種スタンダードに掲載されている体高(最高値)のオス犬を表示しました。体高の記載のない犬種は、体重等からみたバランスのよいサイズにしています。ただ同じ犬種でも、体重、性、毛量などにより個体差があります。

原産国
特徴
  • 大型犬
    大型犬

    体重25〜40kgくらいの犬。日本では、バスや電車の移動は事実上不可。動物病院への通院や帰省、旅行のときなどには、自家用車が必要となる。

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  • 長毛種
    長毛種

    ロングヘアともいう。毛の長さ、硬さ、ダブルコート(上毛と下毛がある)かシングルコート(上毛のみ)かは犬種による。シングルコートの場合は、長毛種でも意外と抜け毛が少なく、シャンプーなども楽。

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  • ビギナーにもオススメ
    ビギナーにもオススメ

    「誰にでも簡単に飼えます」という犬などいないが、さまざまな犬種のうち、比較的初心者にも飼いやすい、性格的にマイルドで素直で優しい犬。反抗心や攻撃心も低いので、事故も起きにくい。「飼いやすい」とはいえそれは犬種としての先天的な性質の話であって、飼育環境などから来る後天的なものなどについては考慮していないのでご注意いただきたい。

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  • マンションでもOK
    マンションでもOK

    サイズではなく性質などが、集合住宅に比較的適応性があると考えられる犬。「警戒心が乏しいため、無駄吠えが少ない」「他者にフレンドリー」「室内ではまったり過ごす」「鳴いて要求することは少ない」など。ただしこれはあくまでも犬種の特徴であり、それぞれでお住まいの集合住宅での規約を遵守することが必須。

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  • 自家用車必要
    自家用車必要

    日本では、電車・バス・新幹線などの公共交通機関に大きな犬は乗車できない。動物病院の通院時や帰省、アウトドア遊びなど、歩いて行ける範囲を超える外出のときには、自家用車が必要となるサイズ。

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  • 子供との同居○
    子供との同居○

    性格的に子供に対して寛容で、多少のことは大目に見てくれる優しいタイプ。子守りをしたがるほど子供が大好きな犬もいる。ただ、犬に悪気はなくても体当たりするだけで子供が転ぶ可能性はあるので、親の監督は必要。

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  • 自分でシャンプーOK
    自分でシャンプーOK

    自宅でシャンプー&ドライができる犬や、長毛種でも基本カットしなくてもいい犬など。ただし耳や足などの飾り毛や足の裏の毛のカット、肛門嚢しぼり、爪切り、耳掃除などはプロに一度習うとよい。

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  • ブラッシング毎日
    ブラッシング毎日

    もつれやすく毛玉ができやすい犬や、散歩のときに葉っぱやゴミを毛に絡ませてしまう犬は、毎日ブラシかコーム(櫛)をかけて、毛玉を防止し、汚れを落とすようにする。

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  • 抜け毛が多い
    抜け毛が多い

    無毛種でないかぎり、どの犬でも多かれ少なかれ毛は抜けるが、とくに掃除を頑張る必要がある犬種。ダブルコート(毛が二層ある被毛)の犬は、春・秋の換毛期の掃除はエンドレス。潔癖症にはオススメできない。

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  • 素直・従順
    素直・従順

    元来人間と共同作業をしていた犬種のため、人に素直に従うタイプ。人間にかまってもらうと嬉しく、トレーニングにも意欲的で、しつけも入りやすい。反面、依存心が高めなので分離不安(留守番が苦手)になりやすい傾向もある。

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  • おおらかな性格
    おおらかな性格

    犬種的に朗らか、おおらかなタイプ。環境適応能力や順応性が高いため、新しい環境や人にもたいして動じない。社会化トレーニングも順調に進みやすく、飼いやすいタイプ。ただし個体差、血統差はある。

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  • のんびり(番犬NG)
    のんびり(番犬NG)

    敏感ではなく、縄張り意識や防衛本能も低いため、外や廊下で物音がしても気にしないタイプ。番犬が欲しい家庭には正直役立たず。でもマンションなどでは比較的飼いやすい。

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  • 暑さに弱い
    暑さに弱い

    夏場の飛行機移動は断られるほど暑さに弱い短頭種や、長毛種、厚いダブルコートなどの犬種。冷房を、梅雨前〜秋まで24時間態勢でつけないと熱中症になる可能性があり、電気代がかかる。夏の朝散歩は5時や6時台がよい。

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ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー

歴史

ゴールデン・レトリーバー
欧米で家庭犬として最も愛好されている犬種の一つでありながら、犬種の歴史がよく分かっていないというゴールデン。イギリスで発達した犬であることは間違いないのだが、イングランドにやってきたロシアのサーカス団の犬が祖先だという、信じがたい説もある。

でも、セッターやフラット・コーテッド・レトリーバーの祖先とされる「ウェービーコーテッド・レトリーバー」などとの混血と考える説が自然。あるいは、黄色のラブラドール・レトリーバーと、今は絶滅した「トゥイード・ウォーター・スパニエル」から、ブロンドの長毛のゴールデンを作出したという説もある。
いずれにせよ、人が大好きで、人と共同作業するのを一番の喜びとする鳥猟犬以外の血は入ってなさそうだ。おそらくそのおかげだろう、根っから穏和で従順な犬である。

日本ではバブル期後半くらいの時代に、シベリアン・ハスキーのあとゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーが流行した。近年では景気の低迷を受けてか、大型犬飼育率が下がっているが、それでもこの温順で扱いやすく、そして見た目も優しそうなゴールデンに魅了され、「先代亡き後、やっぱりゴールデン」というファンシャーは、日本にも少なくない。

流行した悲しい宿命で、日本でも一時、股関節形成不全を始め遺伝性疾患など病気がとても多い犬種であった。そもそも世界的に見ても、飼育頭数の多さから症例データが揃っているからかもしれないが、ゴールデンは全犬種の中で最も病気の多い犬種である。でもとりあえずいまの日本では、ペットショップやホームセンターにたくさん陳列するために乱繁殖されていた暗黒の時期は過ぎ、病弱な個体や神経過敏なゴールデンが、以前よりは減ったように感じられる。この調子で、流行に便乗したお金儲けのためではなく、本当にゴールデンを心から愛するブリーダーの手によって、健全なゴールデンを作出してもらいたいと思う。

外見

ゴールデン・レトリーバー
柔らかいブロンドヘアの、優しい印象の犬。日本人は黒っぽい犬よりも、白っぽい薄い色の犬のほうが「優しそう」というイメージを持ちやすいが、まさにゴールデンはそうした日本人の好みにとてもマッチした姿をしている。

体高は、オス56〜61cm・メス51〜56cm。ちなみにラブラドールの体高は、オス56〜57cm・メス54〜56cmなので、ほぼ同等の大きさである。レトリーバー御三家のもう1種、フラットコーテッド・レトリーバーの体高は、オス59〜61.5cmチ、メス56.5〜59cmで、ゴールデンの方が少し体高が低め。

ゴールデンの毛色は、ゴールドまたはクリーム。レッドやマホガニーといった赤みの強いのは認められていない。とはいえ、日本では流行った時期には、アイリッシュ・セッターに近いような赤っぽいゴールデンも存在していた(最近ではあまり見ない)。ともあれ、ゴールデンはブロンドっぽいのが正しい。ゴールドは一般に日本でも多い色、クリームはそれを薄くした色である。ヨーロッパでは「ダークゴールド」と言われる茶色の強いゴールド色の個体もいて、主にフィールド系に濃いめの色が多い。でもアイリッシュ・セッターの赤味の強い茶色とはちょっと違う。

ときどきフラットコーテッド・レトリーバーのことを「黒いゴールデン」と勘違いしている人もいるが、黒髪のゴールデンはいない。

毛質は、フラットに似た平滑毛か、あるいは少しウェーブがかった毛。フラットと違い、耐水性のあるアンダーコートがしっかりあるので、毛量たっぷり。フラットよりもゴールデンの方が抜け毛は多いので、ブラッシングは毎日必要だ。耳の後ろやお尻の飾り毛は毛玉になりやすいので、念入りにとかしてあげること。

シャンプーは自宅でできるが、アンダーコートが豊富な分、乾かすのはフラットよりも時間がかかる。毛の手入れが面倒な人や、部屋の掃除機かけの回数を減らしたい人は、ラブラドールやフラットを選ぶほうが手間は少ない。

毛色


なりやすい病気

遺伝性
  • 股関節形成不全
  • 肘関節形成不全
  • 進行性網膜萎縮
  • 遺伝性てんかん症
  • 角膜ジストロフィー
  • 大動脈弁下狭窄症
  • 拡張型心筋症
  • フォン・ウィルブランド病
  • 糖尿病
  • 若年性腎疾患
  • 肥大型心筋症
先天性
  • 門脈シャント
その他
  • 悪性血管内皮腫
  • 骨肉腫
  • 白内障
  • 緑内障
  • まつげの異常
  • 眼瞼内反
  • 眼瞼外反
  • 網膜異形成
  • 膝蓋骨脱臼(パテラ)
  • 離断性骨軟骨炎
  • 汎骨炎
  • 前十字靱帯断裂
  • アトピー性皮膚炎
  • 脂漏症
  • 脂腺炎
  • 肢端舐性皮膚炎
  • 血友病C
  • 免疫介在性溶血性貧血
  • クッシング症候群
  • 外耳炎
  • 甲状腺機能低下症
  • 咽頭麻痺
  • 巨大食道
  • 重症筋無力症
  • 心嚢疾患

魅力的なところ

  • 優しそうな姿とそのイメージどおりの、穏和で従順な優しい犬。
  • 初心者にもオススメできる数少ない犬種。
  • 我慢強く柔和な性格なので、子供の相手を任せても安心。
  • 人なつこい。家族とのつながりを大切にする。
  • 他人とも他犬ともフレンドリーな平和主義。
  • アウトドア大好き。キャンプやフィールド遊びのお供に最適。
  • 訓練に対する意欲、覚えも早い。

大変なところ

  • 他の猟犬種に比べれば運動欲求は低めとはいえ、朝晩の運動の時間はたっぷり必要。
  • 少ない散歩量でも我慢しすぎる。肥満や自傷行為や慢性膀胱炎などにつながることも。
  • 番犬が欲しい人には向かない。
  • 甘えん坊なので放置されることが何より苦手。室外飼育には耐えられない。
  • 引っ込み思案な一面も。子犬期から社会化トレーニングを頑張る必要あり。
  • 抜け毛が多い。シャンプー後の乾燥も時間がかかる。
  • 遺伝性疾患やガンが多い。病院代の覚悟はしておく。
  • 膝蓋骨脱臼などの骨関節の病気が多いので、滑りやすい床では対策が必須。

まとめ

初心者にもオススメできる優等生

ゴールデン・レトリーバー
ゴールデンとラブラドールは、欧米で家庭犬として安定した人気を誇る。レトリーバー種は、優しく、フレンドリーで人が大好きな、飼いやすい温順な性格だが、その中でも一般論としていちばん穏やかで柔和なのがゴールデンといってよいだろう。盲導犬を作出するために血統管理していると言われる、ラブラドールの「ガイドドッグ(盲導犬)系列」の血統の犬も、穏和で我慢強く環境適応能力が高いが、ラブの中には元気炸裂のフィールド系の血統もいるので、1犬種の中に性質のばらつきがある。その点ゴールデンは、イギリスなどで実猟犬に使っている血統もあるものの、日本に入っているのはほとんどショー系、コンパニオン系の犬なので、平均的におっとりしたのんびり屋さんが多い。攻撃性、反抗心もほとんど皆無(ただし未去勢のオス同士や、育て方によってはその限りではない)。テリトリー意識も薄いので基本的に無駄吠えもしない。

よって、初めて犬を飼う人、女性で大型犬を希望する人、小さな子供のいる家庭、マンションで飼いたい人、そうしたジャンルの人に推薦できる数少ない優等生の犬種といえる。もちろん個体差があるし、飼い方次第によっては必ずしも全部のゴールデンが良い子になると断言はできないが、それはどの犬種でも同じこと。相対的にいって、この犬は「家庭犬として飼いやすい犬種」のトップクラスにランクされる。ゴールデン並みに、優しく穏和で初心者にも扱いやすい犬といえば、あとオススメできるのは、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、キースホンド、ニューファンドランド、ビズラくらいだろう。

性格面の欠点をあえて言うとしたら、ときどきシャイで引っ込み思案、おくゆかしすぎる個体がいることと、あまりに優等生というか良妻的キャラクターすぎることだろうか。刺激が欲しい人、苦労が好きな人、破天荒な犬が好きな人にとって、ゴールデンは少々おとなしすぎるかもしれない。要求が少なく、反抗心もなく、ただひたすら飼い主をそっとお慕いする健気な性格だから、一癖も二癖もあるようなじゃじゃ馬が好きな人にとっては、ゴールデンは物足りなく感じる可能性はある。そういう人はもっと手強い犬種を選ぶといいが、初心者なのであれば無理な背伸びはやめたほうがいい。優しいゴールデンであっても、体重30kgほどになる大型犬だ。ビギナーにとっては、犬を飼う楽しさも苦労もたっぷり味わうことができる。

ともあれ、これだけ欧米で長く愛されているということは、万人にとって飼いやすいという証しともいえる。ゴールデンは本当に家庭犬としてとても優秀で優しい、いい犬である。

遺伝性疾患など病気は多い犬。なるべく健康な家系を選ぶ

性質的には文句なく優秀なコンパニオンなのであるが、残念ながら、遺伝性疾患を始めとにかく病気が多い犬である。ガンで10歳未満で死んでしまう例もある。欧米で長く愛されて、犬種改良が行われた長い歴史があるため、遺伝性疾患や先天性疾患、なりやすい病気が多くなったと考えられる。

ただ、それでも長生きするゴールデンはいる。少しでも健康で長生きできる犬と暮らせることが理想なので、そのためにはやはり、遺伝性疾患を淘汰するよう努め、繁殖犬の遺伝子検査をしたうえで交配に使うなど、ゴールデンの未来を考えてブリーディングをしている意識の高いブリーダーから子犬を譲ってもらうことが大事。そういうブリーダーが日本にもっと増えると嬉しい。

ブリーダーを探すときは、繁殖に使う前にどんな検査を実施しているのか、父犬、母犬、おじいちゃん犬、おばあちゃん犬は存命か、親戚犬含み既往症として遺伝性疾患やガンの犬はいないか、同じ血統の犬の平均寿命、死亡原因(疾病)などを尋ねてみよう。その犬種を心から愛するブリーダーなら、そこまで真摯に考えて子犬を迎えようと努力する飼い主を邪険に扱うことはない。反対に丁寧に教えてくれなかったり、話しを濁したりするブリーダーは、誠意がないし、遺伝性疾患についての意識や犬種全体に対する愛情が低い。子犬探しの際に、こういうリサーチをするのは、欧米では当たり前のことだ。

かたや、正しい厳しいブリーダーであれば逆に質問されることもある。住環境や家族構成、職業(経済的に犬を養っていけるか、留守番時間はどれくらいかなど)など。自分の大事な子犬を譲るのだから、そういう質問をするのはごく自然なことだ。「自分の大事な娘を嫁に出す」感覚に似ていると思えば、イメージしやすいだろうか。本当に幸せにしてもらえるのか、人間性や経済力などを確認するのは正しい親心。だからそれに対して、しっかり返答できることも大切である。よいブリーダーであればあるほど、「お金を払うんだから、何をしてもいい。答える必要がない」と思っている人には子犬を譲ってくれない。

これはどの犬種にもいえることだが、とくにゴールデンは病気の多い犬なので、しっかりした人間関係を構築して、信頼のおけるブリーダーから譲ってもらうことを強くオススメする。

ガンドッグ出身なので散歩はしっかり。肥満は大敵

ゴールデン・レトリーバー
元はガンドッグ出身なので活動的。ただ、フラットやフィールド系のラブラドール、ワイマラナーやポインター、セッターといったガンドッグの中では、コンパニオンとして改良された歴史も長いので、普通の猟犬種ほど猛烈な運動をしなくてもたいていは大丈夫。
ただ、もちろん運動したいという欲求はある。とくに、1〜4歳くらいまでの若い時期は元気いっぱいなので、たくさんの運動が必要だ。その後落ち着いてきたら、毎日走る散歩プログラムにしなくても許してくれる犬だが、朝晩の散歩はたっぷり1時間くらい歩き、歩くだけでなくできればボール遊びをしてモッテコイをさせたり、ドッグランで走らせたりする筋肉を鍛える自由運動もさせよう。

いい筋肉がついていれば、骨関節の疾患の発症を遅らせたりすることにもつながる。訓練性能がよく、学習意欲も高く、飼い主と一緒に共同作業するのが大好きなので、アジリティーなどのドッグスポーツやオビディエンスのような服従訓練競技だって得意だ。本来作業意欲が高く、好奇心からのイタズラもする犬なので、体と脳を使ったゲームや遊びを取り入れると喜ぶ。ただし、股関節形成不全などの骨関節の病気を持っている場合は、激しい運動は禁物。アジリティーやフライングディスクなどのジャンプをする競技も無理はさせないほうがいい。足腰に異常がないか、痛がっていないか、毎日よく観察して、万が一の病気の早期発見に備えたい。

ゴールデンは忍耐強く、飼い主の生活に合わせてくれる犬なので、散歩が足りないといって無駄吠えしたり、要求したりすることが少ない。しかしその優しい性格が裏目にでて、運動不足のストレスがたまって妙な自傷行為(肢端舐性皮膚炎につながりやすい)をしたり、ゴミ箱をひっくり返したり、肥満になったりする。
とくに肥満は、糖尿病や骨関節の病気を誘発することにもなるので問題だ。中には、散歩が短く、排泄が十分ではないまま帰宅する生活が常習化したために、慢性膀胱炎になった犬も見たことがある。そんな状態になっても文句を言わないなんて、なんて我慢強く、健気な犬なのかと切なくなる。ゴールデンの要求の低さをいいことに、散歩量を足りないまま放置するとか、かまってやる時間が短い生活を強いると、さまざまな病気や心の不調の原因となるので、十分気をつけよう。

人恋しい犬。かまってあげる時間をたっぷりつくる

レトリーバー種なので、トレーニング性能は高い。賢く、しつけもしやすい。攻撃性や反抗心も見せないので、実に扱いやすい。「従順で素直」という言葉は、ゴールデンのためにあるようなものだ。

そのためか、問題行動が起きたという話はあまり聞かない。まれに育て方や血統が悪く、臆病すぎや攻撃性などのでる犬もゼロではないが、他犬種と比べると少ない。ただ人間が大好きな、甘えん坊なので、ほおっておかれることが何よりもつらい。そのため長時間の留守番は苦手で、人恋しさや不安から留守中に吠えたり、寂しさを紛らわすために自分の四肢をずっと舐めたりする自傷行為に走ることもある。頭がいいので、飼い主の気をひくためにわざとイタズラすることもある。
共働きや一人暮らしの会社員で、朝から夜まで犬ひとりで留守番という家庭だと、ゴールデンの心が耐えられないかもしれない。室外飼育も向いていない。大型犬ではあるが、室外飼育するしかない環境ならば、ゴールデンを辛い立場に立たせることになるので、この犬を選ばないでほしい。
ゴールデン・レトリーバー
また、一緒にいられる時間も、ただ同室していればいいというものではない。話しかけたり、ブラッシングしたり、散歩にでかけて声をかけたり、アイコンタクトしたり、ボール投げしたりなど、かまってあげる時間をたくさん持とう。ただし、依存心を高めすぎると分離不安症を助長しかねないので、規律は必要。厳しくしつけるより、愛情でしつけることが大事だが、ベタベタしすぎるのもよくないので注意。適度な距離感を保ちつつ、よい信頼関係を作っていこう。

泳ぐのが大好き

レトリーバーなので、泳ぐのも大好き。ダブルコートで毛量もあるから夏は暑がりだが、涼を求めて川遊びや海で泳いでいるゴールデンは、とてもハッピーそうだ。洗うのが大変などと言わないで、川や海、湖などのアウトドアへ連れて行ってあげられる飼い主を希望。

ただ、元来引っ込み思案な一面もあるので、いくらゴールデンでも、成犬になるまで一度も泳いだことがなければ、泳ぐのを怖がることもある。小さいうちから水に慣らしてあげよう。そのほかの社会化トレーニングも、継続して行ってあげたほうがよい。社会化不足だと、シャイなゴールデンに育ってしまうこともある。無理強いはせずに、のんびりペースでいろいろなことに慣らしてあげたい。環境適応能力に長けたレトリーバーの血を持っているので、きっと少しずつ順応していってくれる。

なお海からあがった後は、潮水が残っていると皮膚炎の原因になりやすいので、できればすぐに真水できれいに潮水を洗い流してあげること。

病気が多い犬種。獣医療費はかかる覚悟を

股関節形成不全や膝蓋骨脱臼、離断性骨軟骨炎などの骨関節の疾患が多い犬だ。大型犬で、歩けない、歩くと痛がる、というのは、介護も大変だし獣医療費もかさむ。股関節形成不全の犬は人工骨頭を入れる手術があったり、膝蓋骨脱臼でも専門医しかできない難しい整形外科手術を行う症例も聞くが、そういうときは数十万円くらいの獣医療費がかかる。またガンも多いのだが、抗がん治療は費用がかさむ。よいブリーダーの努力と一般飼い主の知識の向上により、これからこの犬種の健全な家系は増えてくるかもしれないが、現時点ではやはりある程度の覚悟はして、心とお金の準備をしておいたほうがよい。

またフローリング床は滑るので、犬が歩く場所はカーペットを敷く、なるべく階段は使わせない、などの住環境の整備も必要だ。

このページ情報は,2014/11/08時点のものです。

本犬種図鑑の疾病リストは、AKC Canine Health Foundation、Canine Cancer.com、Embrace Insurance “Pet Medical Conditions”などを筆頭に、複数の海外情報を参考にして作られています。情報元が海外であるため、日本の個体にだけ強く出ている疾患などは本リストに入っていない可能性があります。ご了承ください。

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