犬の飼育に関する知識を体系的に学べる学校が登場。「ピースワンコPRODOGスクール」で、世界水準のカリキュラムを学ぼう

　このサイトを見ている人はきっとほとんどが犬と一緒に暮らしている人だと思うが、よくご存じのように、犬の飼育のマニュアル本というものは基本的に存在しない。書店に行けば「子犬の飼い方」「犬を迎えたら」みたいな本があるにはあるが、犬の飼育に関する種々雑多な知識の中から最大公約数的なものをかいつまんで書いてあるものが大半で、現実として参考になるのかというと、かなり怪しいというのが正直なところだろう。
　でもそれは、その書籍が悪いのではない。犬は生き物であって、アクセルを踏めば絶対に前に進み、ブレーキを踏めば絶対に停まる、クルマのような工業製品のようにはいかないのだ。犬種が持つ基本的性質や育った環境、親から受け継いだもの、飼い主のライフスタイル、初期のしつけがうまくいったかいかないか、そんな諸々の状況で行動が大きく変わってくるのだから。

　専門学校に行けば、ある程度のことは教えてくれると思う。しかし筆者も探したことがあるので分かるのだが、専門学校は「若い人達」のためのものだ。例えば、ある程度年齢がいって初めて犬を迎えたような人が行けるようなところではない。とはいえ巷にあるのは「トレーニング」「しつけ」を教えてくれるところばかりで、最も重要だと思われる「犬学」（犬についての総合的/体系的な知識）を教えてくれるところは皆無だ。

　それによって何が起こるのかというと、犬の扱いはいつまでも変わらず、飼い主のレベルもいつまでも上がらず、犬がモノ扱いされることもなくならず、動物と人が幸せに暮らせる社会というものがどんどんと遠ざかってしまう。
　そんな状況に業を煮やした……のかどうかは分からないが、日本最大級の犬の保護団体であるピースワンコ・ジャパンが、ついにスクールを開校する。それがこの「ピースワンコPRODOGスクール」だ。第1期生の募集が始まったので、紹介しておこう。

PRODOGスクール公式リリース

ピースワンコ・ジャパン公式サイト

　先ほども書いたが、“犬関係のスクール”というとトレーニングだったりしつけだったりというものが思い浮かぶと思うが、さすがにピースワンコが手がけるスクールはちょっと違う。カリキュラムの一例を見れば、かなり本格的であることが見て取れるだろう。

　犬に対するありとあらゆる知識が体系的に学べる素敵なカリキュラムだ。“犬学”と呼ばれるものを日本で教えてくれる学校はほとんどないと思うが（というかそもそもあるんだろうか）、それを体現してくれるのが、このスクールなのだ。
　このカリキュラムそのものは、犬の先進国“ドイツ”のプロドッグスクールと提携して作られたもので、内容は折り紙付き。さらにカリキュラムの最後のほうには、ドイツのプロドッグスクールに短期留学もできるほか、すべてのカリキュラム修了後には、ピースワンコ・ドッグトレーナー資格が取得できるという。


　むろんこれだけ内容が多岐に渡ると、講師陣も半端なものでは追いつかない。ピースワンコ・ジャパンのプロジェクトリーダー大西純子氏、連載でお馴染みのアルシャー京子氏を始め、スウェーデンからEva Bodfäldt氏、Barbro Ryden氏、アメリカからAndy Rebmann氏、Marcla Koenig氏、ドイツからSimone Pohl氏、Ariane Ulrich氏など、そうそうたるメンバーだ。全員をここで紹介し切れないので（ちょっと字が小さいけど）ピースワンコの公式リリースで説明文を読んでみてほしい。

大西純子氏インタビュー「犬を救うということ。犬を譲渡するということ」

アルシャー京子氏連載「犬とフードと栄養と」

PRODOGスクール公式リリース

　最初のほうで「若い人しか行けない学校が多い」と書いたが、このスクールは「20歳以上」という制限が付いているだけで、ほかの制限はなさそう。パンフレットにも「性別・国籍・経歴は問いません」と明記してある。
　キチンとした講師陣の元で、体系的に犬全般について学んでみたい人は絶好のチャンスだ。第1期生は“定員20名”という狭き門だが、ぜひとも前のめりに検討してみよう。学校説明会については、以下のとおり。