現在私達が食するもっとも一般的な緑黄色野菜である人参(にんじん、学名Daucus carota subsp. sativus)は、江戸時代にヨーロッパから持ち込まれた「西洋人参」である。赤味のある太い根の部分が主に料理に使われるが、葉もおひたしや炒め物として食べることができる。人参は、ヒトや動物の体の中でビタミンAに変わるβ-カロチン(プロビタミンA)が多く含まれる食材として有名。β-カロチンは脂溶性の物質なので、油で炒めるか、あるいは生で摂る場合には細かくすりおろし少量の植物油をかけると、人参からβ-カロチンが油に抽出されて体に吸収されやすくなる。なおβ-カロチンは人参の根だけではなく、葉にも多く含まれる。
犬の体に摂り込まれたβ-カロチンは、体内の脂肪組織に蓄積され、必要に応じてビタミンAに変換される。酵素の働きによってβ-カロチンから作られたビタミンA(別名レチノール)は、視覚機能に作用するほか、骨格の成長や血球・皮膚・粘膜の構成、免疫など多くの代謝に作用する。
なお人参にはβ-カロチンのほか、ビタミン類(ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カルシウム、マグネシウムなど)、ペクチンなどが含まれる。


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