コーン油(別名トウモロコシ油)は、トウモロコシ(学名Zea mays)の種子の胚芽に含まれる油脂を加工により分離したもので、原料となる胚芽はトウモロコシからコーンスターチを作るときに出てくる副産物である。食用では炒め物などに向いているほか、マーガリンなどにも加工され、食卓にはすっかりなじみのあるコーン油だが、胚芽から油を絞る加工がなされたのはコーンスターチが作られるようになった19世紀末のことで、オリーブオイルや亜麻仁油などの植物油に比べて歴史が浅い。1リットルのコーン油を作るためには、100kgのトウモロコシが必要とされる。乾燥させた胚芽には約55%の油分が含まれるが、それを圧搾または溶媒を使って抽出して得られる精製したコーン油は、無色で匂いも味もあまりない。抽出精製したものにはβ-カロチンが加えられて薄黄色をしているほか、酸化防止のためにビタミンEやトコフェロールも加えられている。
コーン油の約60%はオメガ6系脂肪酸のリノール酸で、オメガ3系脂肪酸が含まれる量は少ないことから、コーン油だけでは理想的なフード中の脂肪酸バランスを取りづらい。比較的安定した性質で、高温多湿を避けて保存すれば1年間は品質が保たれる。リノール酸のほか、オレイン酸約25%、パルミチン酸約11%、そして脂溶性ビタミンのAやE、Kなどを含む。
定期的にコーン油を摂取することで細胞の代謝を保ち、集中力と免疫力を高めるといわれる。


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