「お腹を切らない手術」がウリの年中無休の動物病院が，自由が丘に登場

表通りから一枚。7月11日にオープンしたばかりだ

　犬と共に暮らす我々が、結構頭を悩ませるのが「動物病院」の問題。飼い主と獣医の相性もさることながら（人対人である以上、それは必ずある）、ポリシーがしっくりくる獣医を探すのは、なかなか難儀な話だ。
　ちょっとくらい高くても腕がいいところがいい、腕はそこそこでいいから安いほうがいい、特殊な手術だからどんなに遠方でも構わない……飼い主の側にもさまざまな事情があるし、それに応じたさまざまな形の動物病院がある。そんなこんなで、日夜「よい獣医さん」を探して我々は右往左往するわけだ。

　そんな中、“人と動物の共生の実現”をテーマとする、皆様ご存じカラーズ（GREEN DOGの会社だ）が、この7月11日に、同社3番目となる動物病院を自由が丘に開業した。いままでも東京ミッドタウンや代官山で獣医療サービスの提供はしてきたが、今度の「自由が丘動物医療センター」はちょっと違う。以下、特徴を記していこう。

自由が丘動物医療センター（7月22日現在、公式サイトは工事中）

病院の入り口脇の植栽は、職員の手植え。蚊除けのハーブなんかを植えてあるらしい

年中無休

　まず飼い主にとって一番嬉しい特徴は「年中無休」ということ。実は元旦だけは休診であることが明言されているのだが、364日開いてるのであれば、ほぼ“無休”と言い切ってもよいだろう。
　朝は9時から午後12時半、午後は4時から7時までと、診療時間は一般的（間の時間は休憩ではなくて手術対応の時間とのこと）。夜間・緊急の対応もしてくれるようなので、夜中にラブラドールが誤飲しても大丈夫だ。

対象動物が広い

　犬や猫はもちろんとして、フェレット、ウサギ、ハムスター、チンチラ、小鳥などが「診療対象動物」として明記されている。犬猫以外を診てくれる獣医を探すのはなかなか難儀なことも多いので、素直にとても嬉しいポイントだ。ほかにも“その他小動物”と書いてあるので、該当の動物を飼っている人は一度電話してみてもよいかも。

腹腔鏡手術に対応

病院内の設備。これは……麻酔装置と生体情報モニターかな？

　腹腔鏡（ふくくうきょう）手術は、人間では一般的だが、獣医療の世界ではまだまだだ。幸いにも健康に暮らしている人だと“腹腔鏡手術”と言われてもいま1つピンとこないかもしれないが、痛みが少なく、傷がとても小さくて済み（開腹しないのだ）、患者への負担が少なくて予後の回復期間も短縮できる、メリットの大きい手術だ（図版を勝手に使うわけにはいかないので、Google画像検索への結果を貼っておきます。これを見ればどんなものだかすぐ分かる→こちら）。

GREEN DOG系列らしく、棚には“ホンモノの”プレミアムなフードが並ぶ

　人の手術においては、腹腔鏡で手術できる病気は年々増加している。特殊な機器が必要になることもあって手術コストは若干増加してしまうのだが、それを超えるメリットがあるため、一気に普及に弾みが付きつつあるところだ。

　そんな腹腔鏡手術が、家族の一員たる動物にも受けさせることができるのが、この自由が丘動物医療センターの最大の特徴だ。

　“最大の特徴だ”と言い切るには理由があって、実は動物に腹腔鏡手術ができる動物病院はまだそこまで多いわけではない。しかも年中無休で夜間の緊急まで受けてくれるとなると、ほとんどない、と言ってもよい。ちょっと調べてみた感じ、獣医師は腹腔鏡についてのプロフェッショナルのようで、日本獣医師会の雑誌などに論文を提供している（→こちら）。ちょっと特殊な手術なので、少しでも安心できる獣医師が望ましいわけだが、そういう部分でも抜かりのない布陣となっている。
　さらに聞いてみたところ、腹腔鏡手術の執刀経験が豊富な獣医師が、院長を始めとして計3名いるとのことなので、気になっている人はぜひ問い合わせをしてみるのがいいだろう。もちろん、全部の手術に対応できるわけではないので、そこは留意しておいてほしい。

受付カウンターは、いつものGREEN DOGデザイン。左の子が持っている患畜は、おそらくハムスター？

　ほかにも、窓口でアニコムやアイペットの動物保険が使えたり、初診時の問診票がダウンロードできるようになっていたりして、いろいろと細かいところまで親切（ダウンロードは、系列の代官山動物病院のものでOKだ→こちら）。急いでるときにあの問診票を書く時間ってちょっとイヤですしね。
　病院なので「早速行ってみよう！」……とオススメするようなことでもないが、遠方から行く価値がある人もいるだろうし、その名前はいざというときのために覚えておこう。7月末までは無料で健康相談が出来るキャンペーン（→こちら）もしているようなので、様子を見がてら、ぜひ。

自由が丘動物医療センター（7月22日現在、公式サイトは工事中）