ドッグフードと犬種図鑑 - dogplus.me
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図鑑

ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)

茶色い長毛が目印のベルギーの牧羊犬。
優しい風貌だが、タフで、たっぷり運動が必要

牧羊犬・牧畜犬チーム
牧羊犬・牧畜犬チーム

コリーやシェパードなどの牧羊犬と、ロットワイラーやコーギーなどの牧畜犬。人間の大事な財産である羊や牛の群れを管理するために、なくてはならない存在だった。よく気がつき、油断ない、賢くタフな働き者。

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英名
Belgian Shepherd Dog <Tervueren>
原産国名
Chien de Berger Belge <Tervueren>
FCIグルーピング
1G 牧羊犬・牧畜犬
1G 牧羊犬・牧畜犬

シープドッグ & キャトル・ドッグ(スイス・キャトル・ドッグを除く)。家畜の群れを誘導・保護する犬がこのグループです。

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FCI-No.
15
サイズ
シルエット
シルエットについて

身長160cmの人と、FCI犬種スタンダードに掲載されている体高(最高値)のオス犬を表示しました。体高の記載のない犬種は、体重等からみたバランスのよいサイズにしています。ただ同じ犬種でも、体重、性、毛量などにより個体差があります。

原産国
特徴
  • 中型犬
    中型犬

    体重10〜25kgくらいの犬。10kgを超えると、抱っこでの移動はけっこう厳しい。キャリーバッグやバリケンの重量が加わると、さらに重くなる。約15kgを超えると、人力での移動はほぼ困難。自家用車がある方がよい。 

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  • 大型犬
    大型犬

    体重25〜40kgくらいの犬。日本では、バスや電車の移動は事実上不可。動物病院への通院や帰省、旅行のときなどには、自家用車が必要となる。

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  • 長毛種
    長毛種

    ロングヘアともいう。毛の長さ、硬さ、ダブルコート(上毛と下毛がある)かシングルコート(上毛のみ)かは犬種による。シングルコートの場合は、長毛種でも意外と抜け毛が少なく、シャンプーなども楽。

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  • 自家用車必要
    自家用車必要

    日本では、電車・バス・新幹線などの公共交通機関に大きな犬は乗車できない。動物病院の通院時や帰省、アウトドア遊びなど、歩いて行ける範囲を超える外出のときには、自家用車が必要となるサイズ。

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  • 子供との同居△
    子供との同居△

    騒々しい子供のいる家庭だと、落ち着きのない犬になったり、子供が抱くのを失敗し、落下させて犬に骨折などのケガをさせたりする可能性あり。親に、子供の監督能力と、犬の安全管理能力があれば同居も可能。

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  • 自分でシャンプーOK
    自分でシャンプーOK

    自宅でシャンプー&ドライができる犬や、長毛種でも基本カットしなくてもいい犬など。ただし耳や足などの飾り毛や足の裏の毛のカット、肛門嚢しぼり、爪切り、耳掃除などはプロに一度習うとよい。

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  • ブラッシング毎日
    ブラッシング毎日

    もつれやすく毛玉ができやすい犬や、散歩のときに葉っぱやゴミを毛に絡ませてしまう犬は、毎日ブラシかコーム(櫛)をかけて、毛玉を防止し、汚れを落とすようにする。

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  • 抜け毛が多い
    抜け毛が多い

    無毛種でないかぎり、どの犬でも多かれ少なかれ毛は抜けるが、とくに掃除を頑張る必要がある犬種。ダブルコート(毛が二層ある被毛)の犬は、春・秋の換毛期の掃除はエンドレス。潔癖症にはオススメできない。

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  • デリケートな性格
    デリケートな性格

    犬種的に繊細な心を持ち、過敏なこともある。環境適応能力、順応性が低いため、旅行先で緊張して下痢したり、知らない人や犬に囲まれると心労が激しい。早期から社会化トレーニングに取りかかることが望まれる。

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  • 敏感(番犬OK)
    敏感(番犬OK)

    敏感なので、外の物音などにすぐ反応して、吠えて知らせてくれる。番犬やアラームドッグに最適。しかしマンションや住宅密集地など、吠え声が問題になる住環境の場合は要検討。

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  • 仕事大好き
    仕事大好き

    知的欲求・運動欲求の高い、仕事中毒な犬。無職な生活を強いられると、無駄吠え・咬み癖などの問題行動を起こしたり、神経症にすらなりかねない。知的な刺激&運動を存分に与えることができる飼い主限定。

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  • 走るのが生きがい
    走るのが生きがい

    走る・斜面を駆け上がる・やぶに入る・水に飛び込むなどが大好きな、非常に活動量の高いタイプ。歩く散歩では運動したうちに入らない。野山を走らせる自由運動の機会を、できるだけ多く与えることができる人向き。

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ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)

歴史

この犬種は、国によって犬種の分類が違う。そこから説明しよう。
牧羊犬としてのベルジアン・シープドッグ、つまりベルギー産のシープドッグ(牧羊のための犬)は19世紀末に急速にすたれ、絶滅寸前になっていた。そこで存続を確保するために繁殖管理クラブが発足。努力が続けられたが、つねに姿よりも作業犬としての性能を優先して繁殖されたため、外貌にかなりの差が生じるという問題が起きたという。

そこでベルギーの獣医アドルフ・ロー教授は、117頭のベルジアン・シープドッグを集め、いくつかの種類に分類。最終的に彼によって、解剖学的にはよく似ているが、被毛の種類や色によって4つのタイプに分類された。
1.グローネンダール:長毛/黒の単色のみ
2.マリノア:短毛/ブラックマスク(黒い顔)でフォーンの体
3.タービュレン:長毛/ブラックマスク(黒い体)でフォーンやイエローの体
4.ラケノア:粗剛毛(テリアのような毛)/フォーン

この分類を基準に繁殖計画が行われ、タイプ別の固定を図り、中間のタイプをなくしていった。そして1897年、ベルギー・ケネル・クラブはこのうちグローネンダール、マリノア、タービュレンの3種だけをまず犬種として公認、1959年にアメリカのケネルクラブAKCもこれに習っている。そして今ではラケノアも加わっている。
現在、AKCでは、黒い長毛種のグローネンダールのことを「Belgian Sheepdog」(ベルジアン・シープドッグ)と呼び、茶色い短毛のマリノアのことを「Belgian Malinois」(ベルジアン・マリノア)、茶色い長毛のタービュレンを「Belgian Tervuren」(ベルジアン・タービュレン)、そして茶色いモシャモシャの粗剛毛のラケノアを「Belgian Laekenois」(ベルジアン・ラケノア)と呼んで、4つの別の犬種として扱っている。

しかしFCI(国際畜犬連盟)とそれに加盟しているJKC(ジャパン・ケネル・クラブ)などでは、この4種類の犬は「ベルジアン・シェパード・ドッグ」として1犬種として扱われている。つまり同じ1つの犬種の中の4バラエティということ。
ダックスフントも、大きさが3サイズ、毛のタイプも3種類あるが、彼らも1犬種扱いだ。プードルも、4つのサイズがあるが1つの犬種。サイズや被毛に違いがあっても、解剖学的な骨格や気質、作業の適正について差異はないという判断なのだろう(本場ドイツのダックスフントは、確かにサイズに関係なく作業意欲や用途は同じ。日本のように愛玩犬ではなく、現役の猟犬だ。ただし本場ドイツでも、毛のタイプによって気質・性格に差があるといわれている)。
とはいえ、たとえばジャーマン・ポインターならば、ジャーマン・ショートヘアード・ポインター(滑毛)、ジャーマン・ロングヘアード・ポインター(長毛)、ジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインター(粗毛)は、それぞれ別犬種として扱われている。犬種の分類というのは規則が一定でなく、非常に分かりにくい。

ともあれベルジアン・シェパード・ドッグは、JKCの犬種スタンダードによると「歴史上、認められたいくつかのバラエティーや毛色について多くの白熱した議論が行われた。一方、形態や気質、作業への適正については意見の相違は生じたことがない」(原文ママ)と書いてあるのだが、その文言には少々疑問が残る。
例えばマリノアは、警察犬、災害救助犬、国境警備犬などの作業犬として抜きんでており、そうした用途に使われることが多い。かたやタービュレンやグローネンダールは、ショードッグやコンパニオンとして飼養されていることが多い。よって本著においては、それぞれ別に紹介することにする。ちなみにラケノアに関しては、日本やアメリカなどでもほとんど見ることはできない希少種である。

タービュレンの日本の導入は、1980年代中頃とされている。タービュレンは、ベルジアン・シェパードの4種の中ではいちばん日本での登録頭数が多い。その次がグローネンダール。マリノアは近年、警察犬訓練関係のような使役犬のプロの手により、輸入されるケースをちらほら聞く。ラケノアは世界的にみて数が少ない犬種だが、日本にもごく少数入ってきている。

ちなみに、タービュレンの名前の由来は、ベルギーのタービュレンという街の名前から。この犬の基礎犬となった「トム」と「プウス」というオスとメスを飼養していたM.F.コルベール氏が住んでいたのが、タービュレンだった。

外見

大型犬(欧米の感覚では中型犬)で、牧羊犬ならではの機敏性、タフさ、警戒心、防衛本能を発揮するのにふさわしい力強さを持った外貌が理想とされる。ベルギーは気候が変わりやすいそうで、そうした悪天候にも耐えうる体をしている。また4種のベルジアン・シェパードの中でも、長毛のタービュレン(茶)とグローネンダール(黒)は、飾り毛をまとい、優美で上品な印象もあり、ショードッグとしても人気がある。

体高は、オス62cm、メス58cmが理想。上限4cm、下限2cmまで許容される。ほかの犬種に比べてスタンダードサイズがきっちり決められているのは、絶滅から脱するために厳しい繁殖管理をして、4バラエティの基準をきっちり設けたからかもしれない。体重はオス約25〜30kg。メス約20〜25kg。オスのほうがひとまわり大きい。性差がはっきりしている犬だ。

体型はスクエア型。つまり、胴長でも短胴でもだめ、足が長すぎてもだめである。スカル(頭の鉢)の長さは、マズルの長さに等しいか、わずかに短い程度。けっこうしっかりした頭部である。つまりコリーほどの細面は、ベルジアンらしくないということだ。

目の色は褐色で、濃い色であるほど好ましい。頭部に高くついた耳は、すっきりとした三角形。とくに子犬の頃は、興味のある方に耳をピシッと向けるとき、後頭部側から見ると両耳がくっつくほど接する。その姿は特徴的で、かつとても愛らしい。

被毛は、上毛は茶色い毛でサラッとしているが、下毛はウール状で白い。耐寒性のある毛なので、白い下毛がよく抜ける。室内飼育であれば、ブラッシングは毎日したほうがよい。部屋中が白い毛だらけになるのを、少しは減らすことができる。

頭部や耳の外側、足の下部の毛は短いが、そのほかは長毛。たてがみのようなラフ(首まわりの長くて厚い毛)やエプロン(あご下や胸の豊富な飾り毛)、前肢の後ろ側にはフェザリング(羽毛状の飾り毛)、キュロット(大腿の後ろ側の豊かな被毛)、ブルーム(しっぽから垂れている長い飾り毛)があり、美しさを醸し出す。そうした長い毛の部分は、毎日コーミングをしてあげたい。またお尻や大腿部付近の長い毛に、オシッコや下痢がついたときは、きれいに洗ってあげることも忘れずに。

そして重要なのが毛の色。タービュレンは、明瞭なブラック・マスク(黒い顔)が絶対条件。両耳、両上眼瞼、上下の唇もブラックでなければならない。ほかの部分はフォーン&ブラック・オーバーレイ、あるいはごく淡いイエローにブラック・オーバーレイ。オーバーレイとは、毛先が黒くなっていることをいう。

グレーやブリンドルは失格。フォーンに暖色系の強い色味が不足しているのも失格。オーバーレイが不足、または強すぎるものなども失格。規定が厳しく定められている。

タービュレンとグローネンダールの違いは、毛色の違いだけである。茶色いタービュレン同士を交配に使っても、まれに真っ黒い子が生まれることもあるという。ちなみにバラエティ間(例えばタービュレンとグローネンダール間)の交配は、国内のケネルクラブがこれに同意すれば認められるが、それ以外は禁止されている。

余談ではあるが、顔が黒くて、毛色がオーバーレイのまばらな黒毛な感じのタービュレンの子犬は、まるで子タヌキのよう。ファンシャーにとってたまらない姿で、納得の可愛さである。

毛色


なりやすい病気

遺伝性
  • 遺伝性てんかん症
  • 進行性網膜萎縮
  • 股関節形成不全
先天性
  • とくになし
その他
  • 白内障
  • 皮下脂肪組織蓄積過剰

魅力的なところ

  • 賢そうで、理知的な表情。茶色い長毛をなびかせて走る姿も美しい。
  • 牧羊犬らしい賢さと感受性の高さ。訓練性能は高い。訓練を楽しみたい人向き。
  • タフで活発。スポーツドッグとしても有能。アウトドア・レジャーにも最適。
  • マリノアやラケノアに比べれば、性質がマイルドで家庭犬に向く。
  • 頭が良く、状況をよく飲み込む優しい犬なので、本来は子供の相手もしてくれる。
  • 本来は油断なく防衛本能のある犬。番犬向き。

大変なところ

  • 悪天候にも耐える被毛をまとっている。抜け毛は多い。
  • ジャーマン・シェパードほど気が強くはないが、頭がいい犬は、それ以上に飼い主が優れていないと手に負えないことがある。
  • ベルジアン・シェパードの中では、繊細な方。体罰や恐怖を利用する強制型のトレーニングには向いていない。
  • 繊細でデリケートな性質が強い個体は、乳幼児の世話をさせるのは要検討。親犬をよく見ること。
  • 本来は防衛本能の強い番犬や警備向きの犬なので、マンションなどで隣人が廊下を歩く音などに反応し、警戒吠えをする可能性あり。
  • タフな牧羊犬。歩いて散歩する程度では満足できない。運動をしっかりさせる時間と体力のある飼い主希望。

まとめ

力強さとエレガントを兼ね備える、理知的な表情の茶色い長毛のベルジアン

皆さんご存じのドイツ産のジャーマン・シェパードも、十分優しくてジェントルな犬だが、それをさらにマイルドに柔らかい印象にしたような雰囲気のベルギー産のベルジアン・シェパード・タービュレン。そう見えるのはおそらく、日に当たると金色に輝く茶色の長い美しい被毛のおかげではないかと思う。ジャーマン・シェパードのような賢さ、訓練性能を持ちながらも、上品でノーブルで優しそうな犬がお好みという人に向いている。

ただし、優しそうな外見ではあるが、やはりジャーマン・シェパードと仕事内容は同じ牧羊犬なので、頭がよく切れ、タフで活動量の多い犬だということを忘れずに。文献によると「スタミナがあり、油断なく、粗食と悪天候に耐え、防衛本能旺盛。主人に服従するが、状況によっては自力で仕事ができる犬」とある。中味はとてもワイルドな犬なのだ。そのワイルドさをきちんと理解した飼い主でないと、コントロール不能になり、お互いのためにならない。覚悟と、事前の予習をたっぷりして迎えてほしい。

飼い主は、犬より賢く、強くなること。ただし恐怖や体罰を与えないで

タービュレンに限ったことでないが、牧羊犬のように頭がよく、自己判断能力のある犬は、自分よりもタフで賢く尊敬できるボスと暮らすことを望む。タービュレンは、マリノアやジャーマン・シェパードよりはマイルドでおっとりした性格とされるので、ビギナーでも勉強をする努力を怠らなければ、一緒に暮らすことはできる。
でも、やはりまったくの素人にはお勧めはできない。それなりに体格がよく、スタミナがある犬なので、犬を制御するには体力が必要だし、そもそも頭の良すぎる犬なので、頭を使ったゲームに飼い主が勝てる人でないといけない。犬にスタミナも頭脳戦も負けるような人は、シープドッグの飼い主としては不適格。犬を幸せにはしてあげられない。

タービュレンにしつけを教える以前に、まず飼い主が「犬への正しい伝え方、教え方」を学ぶ必要がある。大型犬のトレーニングに慣れているトレーナーを探し、子犬の段階からすぐパピー教室などに通うとよい。飼い主が犬への指示の出し方を正しくマスターすれば、タービュレンはスルスルとなんでも覚えていってくれるはずだ。ちなみに犬にとって、トレーニングは辛い勉強時間ではない。飼い主と一緒に頭を使うゲームの時間のようなもので、喜んで参加する。ただし、ダラダラと長時間やっても効果は上がらないので、集中力を持続する時間内で行うことがポイントだ。

もう1つの注意点としては、タービュレンは、ベルジアン・シェパードの中では、優しく繊細なタイプなので、恐怖や痛みで強制するトレーニングをすると、心が折れてしまいやすい。いつも飼い主の顔色をうかがって、ちょっとビクビクしたような表情をしている犬を見たことがあるが、あれではいくらしつけが行き届いているといっても、犬が気の毒に思える。タービュレンは、力や恐怖で押さえ付けなくても、ちゃんと理解してくれる犬。犬がいつものびのびと、幸せそうな顔をしていられるトレーニング方法を選択してほしい。

運動はたっぷり必要

牧羊犬は、広大な原っぱで羊を集めたり、誘導したりする仕事をする犬である。当然、体力はすごい。走るスピードも速い。人間が歩いて散歩する程度では、タービュレンにとっては運動にはならない。とくに1〜8歳くらいまでの若くて元気いっぱいのライフステージのときは、非常に活発だ。体の筋肉にも、脳にもたくさん刺激を与えること。そうしないと、無駄吠えその他の問題行動を起こしてしまうかもしれない。

周囲の安全に配慮した場所での自転車引き運動、ドッグランなどの広い場所でのボールのモッテコイ運動など、全身をたっぷり使う運動が必要。さらに、頭脳を使うことも欲する犬なので、アジリティーやオビディエンス競技(服従訓練競技)などに参加するのもとてもよい。飼い主とのいいパートナーシップを築く上でも効果がある。勝敗うんぬんの結果よりも「大好きな飼い主と一緒に頑張る」ということを好む犬なので、楽しみながら運動会に参加するような明るい気持ちで参加するのをオススメする。
タービュレンは心がデリケートな犬なので、くれぐれも「なんで勝てなかったの!」といって、怒ったり、ぶったり、無視したりはしないでほしい。

抜け毛は多い。ブラッシングを苦労と思わない人向き

「ベルギーの悪天候にも耐えられる」とされる被毛を持つ。ということは、高性能の耐寒性や撥水性があるということで、そのとおり厚いアンダーコート(下毛)がある。アンダーコートはよく抜けるので、ブラッシングは毎日するつもりでいよう。
オーバーコート(上毛)はそれほどからみやすい毛ではないが、アンダーコートは柔らかいので、大腿の後ろや脇の下などがもつれていないか、よくチェックする。きれいにコーミング(櫛入れ)された犬はとても美しい。また、長毛種なのでオシッコやウンチなどが内股の毛やお尻の下の毛についたままにしないで清潔を保つようにする。

トリミング犬種ではないので、自分でシャンプーはOK。トリミング代がかかる犬ではない。ただし、豊富なアンダーコートが生乾きのままにならないように。ドライヤーには時間をかかる。やはり長毛種なので、毛のメンテナンスはそれなりの努力が必要である。

遺伝性疾患もあるので、よいブリーダーを探す

遺伝性疾患等がとくに多い犬種というわけではないが、遺伝性てんかん症や歩行困難になる可能性のある股関節形成不全、進行性網膜萎縮という目の病気など、よく聞く遺伝性疾患が発症する犬ではある。

日本では幸い無計画に繁殖されて大量に売られている犬ではないし、飼育頭数も多くないせいか、悲観的なニュースはあまり聞こえてこない。ただし、数が少ないということは、裏返せば遺伝子プールが貧弱であるともいえるので、繁殖管理は慎重に行う必要がある。よって、タービュレンを心から愛し、遺伝性疾患や交配ラインのことなどをよく研究し、外国のブリーダーとも交流のある、志しの高いブリーダーから譲ってもらうことが重要である。

タービュレン飼育経験者の口コミなどをネットのブログやオフ会などで探し、事前に自分自身がタービュレンの情報をたくさん集めることが大切だ。そうしていくうちに、よいブリーダーにたどり着くことになる。一般人のブログは、やや客観性が欠ける可能性も否定はできないので、複数の情報ソースを探し、見比べ、情報を精査していこう。

このページ情報は,2014/10/30時点のものです。

本犬種図鑑の疾病リストは、AKC Canine Health Foundation、Canine Cancer.com、Embrace Insurance “Pet Medical Conditions”などを筆頭に、複数の海外情報を参考にして作られています。情報元が海外であるため、日本の個体にだけ強く出ている疾患などは本リストに入っていない可能性があります。ご了承ください。

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