西洋の肉料理に香り付けでよく用いられるローズマリー(和名:マンネンロウ、学名:Rosmarinus officinalis)は、地中海沿岸を原産とするシソ科マンネンロウ属の植物で、古くから多くの薬効がある植物として広く民間に好まれてきたハーブである。針葉樹の葉のように、1本の太い茎に細長くて太めの葉が付き、原産地周辺ではこの葉に朝露が貯まることからラテン語でros marinus(海の露)というこの名が付いたとされる。通年青や紫色の小さな花が咲き、庭やプランターで簡単に育って丈夫なことから、家庭用ハーブとしても人気がある多年草である。葉はそのまま食べると少し苦みがあり、針葉樹を思わせる清涼感のある香りを感じる。ローズマリーの葉の苦みや香りは、フラボノイドやサポニン、サリチル酸、精油(エッセンシャルオイル:カンファーやキネオールなどテルペン類)、ロスマリン酸(ポリフェノール)などに由来し、これらによってローズマリーには、血圧上昇作用をはじめ抗菌作用や抗炎症作用、抗酸化作用、鎮痛作用、抗痙攣作用など多岐にわたる作用があることが知られている。
特に、ロスマリン酸の持つ抗酸化作用はほかのハーブに比べて高く1)、天然の抗酸化物質・酸化防止剤として、近年多くのドッグフードで化学合成の抗酸化物質に代わり用いられている。
1)村上,羽根田,吉野: ロスマリン酸のプロオキシダント作用−遷移金属イオンの還元を介した活性酸素生成,Trace Nutrients Research22:45-50(2005)
http://www.jtnrs.com/sym22/22_045.pdf


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