カリウムは体の中に多く存在するミネラルで、その量実に第3位を誇り、そのほとんど(約90%)が細胞内にある。体の浸透圧を保つのに必要不可欠であるほか、多くの酵素作用に欠かせないミネラルであるにもかかわらず、肝臓や筋肉など体の中に蓄積できるカリウムの量は限られ、過剰に摂取した量は尿中へ排泄される。血中のカリウム濃度は副腎皮質ホルモンにより厳しく制御されており、血液検査でカリウム不足が見られるのは長期にわたる重度のカリウム不足の時である。犬の1日のカリウム所要量は、体重1kg当たり最低6-10mg、理想的には55mgとされ、慢性的に続く嘔吐や下痢症状のとき、あるいは慢性的に糖質コルチコイドやアルドステロンなどのホルモン剤が投与される場合、そして妊娠中や授乳中の母犬ではその所要量は上がる。1)
カリウムは、精白米や精白した小麦粉、脂肪、砂糖などを除いてほとんどの食材中に含まれているが、ゆでることで失われやすい。カリウム不足が長期にわたって続くと、犬は元気消失やスタミナ不足、血圧降下、乏尿が見られる一方で、新鮮な水がいつでも飲める状況下であれば犬はカリウムの多量摂取に対しては寛容であり、体重1kg当たり1日2gまで耐えられる。1)
1)H. Meyer, J. Zentek: Ernährung des Hundes, 4., durchgesehene Auflage, Parey Buchverlag Berlin, 2001


日本
ウルグアイ
