サラダなどでも人気の、南国の実アボカド(学名Persea americana MILL、クスノキ科ワニナシ属)は、油分を多く含む果実としても有名である。人のこぶしより少し大きめの実は洋なしのような形で、濃緑色の硬い皮をむくと薄黄緑の柔らかい果肉があらわれ、実の真ん中には大きな茶色い種がある。南メキシコ原産のアボカドの実は、中央アメリカで1万年前から食べられてきたといわれる。大航海時代から19世紀にかけてアフリカや東南アジアへ伝搬され、ヨーロッパでは20世紀に入ってから地中海沿岸で栽培されるようになった。現在アボカドの品種は400種あるといわれる。果肉に味はほとんどないが、油分が多いせいか舌当たりが柔らかく、いろんな料理にアレンジして食べられている。
アボカドオイルはアボカドの果肉を圧搾後、遠心分離して得られる。アボカドオイルに最も多く含まれているのはオレイン酸で、品種によって47-70%の差がある。次いでパルミチン酸20%前後、リノール酸が10%前後、そのほかフィトケミカルの一種であるフィトステリンや、ビタミンA、D、Eなどの脂溶性ビタミンとα−トコフェロール、レシチン、スクワランなどが含まれ、近年では化粧品にも使われることが多い。


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