おそらく「コーリャン(高梁)」「モロコシ」という名前を聞いたことがあるかもしれないソルガム(学名Sorghum)は、直径4ー5mmで少し大きめのヒエや粟(あわ)のような形をした穀物で、イネ科モロコシ属の植物の種子である。モロコシ(学名Sorghum bicolor)はソルガムの中でも最も普及している代表的品種であり、その一変種として砂糖がとれるさとうもろこし(Sorghum bicolor var. saccharatum)がある。また、一般的にヒエ、粟、キビをまとめた雑穀のことを指す「ミレット(Millet)」の中に、ソルガムが含まれることもある。ソルガムはグルテンを含まないためパンや焼き菓子には向かず、粥などにして食べられるか、あるいはグルテンフリーのビールの原料として用いられている。家畜の飼料としてもとうもろこしと同じように植物全体を加工して用いられ、さらに再生燃料としても注目されている。ソルガムのグルテンフリーの特性を、アレルギーまたは不耐症対策として需要を見いだし、ビタミンAや亜鉛、鉄分、アミノ酸含有量を向上させた栄養価の高いソルガムの品種改良が、現在行われている。
ソルガムの種子に含まれるケイ素(結合組織の柔軟性維持や爪・毛髪・皮膚の健全性維持に、とくに長毛犬種では重要)や、ほかの穀類の2ー3倍含まれる鉄分、カルシウム、マグネシウム、フッ素など、ヨーロッパではルネッサンスの時代から、これらソルガムの成分に栄養生理学的価値が見いだされ、そして現在また健康食品として再認識されつつある。


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